【オルタのこだま】

オルタ128号を読んで

豊間根 龍児


オルタ128号を読ませていただき大変、勉強になりました。

◎骨のうたう: 出征前の歌とは!「骨を愛する人もなし」何とも哀れ。

◎終戦の詔勅: 改めて天皇とはすごい存在であったと思う。虎の威を借りた者の罪は重い。けれど、終戦の詔勅がなければと思うと背筋が寒くなる。

◎集団的自衛権: いや、難しい。はじめから軍隊というものは上級者の言いなり、反論は出来ないものと思っていた。他国の軍隊はそうでないのだろうか。それが日本の政治システムと同じだとも言っている。憲法を勝手に解釈したからだという。その背後に人間性の尊厳がないという。自由で民主的な基盤生成には普段の権力への抵抗だとも言っている。しかし、民意に沿って戦争している国もある。その戦争をどうやって止めるのだろう。

◎8月15日に寄せて: オランダからの貴重な声。謙虚に受け止めたい。でも、あまりにも、これでもかこれでもかと「不条理と屈辱」だとこき下ろされると、オランダだって蘭領インドで何していたのと言いたくなる。こんな気持が隣国の反感を買っているのだろうか。やはり認識が甘く反省が足りないのでしょうね。ともかく、戦争や侵略は多くの不幸につながるから、過去を反省してやめましょう。

◎朝鮮人慰霊碑撤去: 強制連行は厳然たる事実だと思う。それにまつわる苦難、如何ばかりであったでしょう。それを歴史から抹殺しようとする行為。それこそ反省が足りない。設置許可請願が通ればいいと思う。

◎満州建国大学: 大学では籠の鳥ながら、中では案外自由に暮らしていることが分かり興味深い。でも、先が見えずどんなに苦しかったかと思う。祖国に戻ってからすぐに亡くなるなんて可哀そう。

◎戦無世代の思い: 本当ですね。戦争の悲惨な経験を伝えて行かなくてはね。

◎アメリカ・リベラル派: コメントに記されているように、本当に日本にも当てはまる。日本の場合、安倍政権に対する批判が湧きあがっている今こそ、中道左派が立ち上がる絶好期なのに何とだらしのないことよ。

◎日本宗教界も反発: キリスト教会の声明は目にしたことがあるが、仏教会のは初めて。余程、腹に据えかねたのでしょう。ここまで来たかという思いです。このような場合、檀家というか信徒との関係はどうなのでしょう。いろいろな考えの人が居ると思うが。教えを垂れる宗務総長らの半ば一方的発案なのでしょうか。安倍総理の宗教・宗派は何だろう。神道はどういう態度を取っているのだろう。

◎葛根廟事件: 悲さん過ぎて読めない。多くの人がこのような体験をして、今を生きている。二度と繰り返したくない体験だ。

◎鬼城: ちょっと、想像がつかないことが起きているという感じ。でも、小さい規模では、東京でも起きている。オリンピックを目指して都心でビル建設が盛んだが、郊外のマンションは空き家続出。でも規模が格段に違うみたい。難民収容に使えないかなあ。

◎レシャード先生: 日本のためアフガニスタンのためご努力されている。頭が下がります。ずっと環境に恵まれていると思う日本にも「難民」が居る。やはり最後は人なんだなあ。

◎海底の物語: 意味深いお話だ。でも、日本人としては、この童話を「私は一時期、日本で複雑な気持ちを持って暮らしていました。」という言葉から別の意味を汲み取りたい。「日本にはたくさんのサメが居たんだ。それを民族の団結で乗り越えた」と。日本人は反省しましょう。もっともっと「民族の壁」を低くしましょう。

◎映画「2つ目の窓」: 男の子の性への目覚め、素晴らしい映像で描いているのだろうな。

◎カバラのこと: 「笑える」ということは、学がなくては出来ないし、柔らかい頭でないと出来ない高級なことだということがよく分かりました。

◎女性の役割: 皇国史観が女権獲得運動にまで影響したとは残念でならない。戦中、大日本婦人会やら愛国婦人会で盛り上がっていたように見えたのに。それにしても岸田俊子はすごい人だったのだ。39歳で亡くなったとは残念!

◎ジェンダーの平等を: いよいよ現代の話ですね。フェミニズムの未来にも触れている。でも、身の周りを見回せば旧態依然たるもの。この差を縮めるのはやはりまずは制度ではなかろうか。しかし、その制度を決める議員があのていたらくでは先が思いやられる。

◎深セン便り: 同じ漢字圏なので起こる笑い話ですね。なんでこんなに読みが違ったのかと不思議な気がします。割り当てられた電話番号が元宅配業者のものとは災難でしたね。間違い電話への対応は、日本も同じようなものではありませんか。無茶ぶり叔父さんは面白い。「はい、こちら葬儀社です。」というのは一頃、はやりました。

◎ミャンマー通信: 長時間の断水に停電、聞いただけでもその苦労が思いやられる。軍が権力握っているのではどうしようもない感じですが、まずは、中国を見習って汚職撲滅を図り、さらに国際世論の力も借りて、この体制の早期解消を図りたい。

◎マスコミ昨今
・慰安婦問題等:主要各紙の論調が比較して見られるこの記事は本当にうれしい。朝日の「戦後70年」特集、国会及び海外の動向を含め、今後の展開を見守りたい。
・相撲報道さすがマスコミ関係者だけあって言葉に対しての感覚は鋭い。豪栄道はそこまで考えて言ってはいないだろうなあ。
・理研者の自殺:優秀な人材が組織の圧力に潰されたのに同情した記事のように読んでいた。自殺は敗北だがいじめで殺されたように読んでいた。小保方晴子で話題性いや増していることは確かですね。

◎中国吉林省から: 定年後、大学通いですか。すごい! 私も必死に読み砕くように努めていますが、しばしば顎が外れ、歯が折れております。

◎徴兵制をめぐって: 「徴兵制の歴史をざっと見るだけで、人間の戦争の嫌いさが分かる。」とありますが、でも多くの国で徴兵制を施行している。軍隊に子供を持っていない人が議員になっているからだろうか。どうして男は逃げ回り、女は男に化けてまで軍隊を志願するのだろうか。男女同権を主張するためであろうか。もしくは、ある程度は好戦者が居るのだろうか。

◎キムチとキムジャン文化: 食文化は本当に生活に密着している。その結晶がキムチ。無形文化遺産となった意義は大きい。が、和食と共に遺産と呼ばれるようになって欲しくない。

◎インドブータン「コア」な旅: ダージリンとは日本で言えばどんな街だろうと想像していた。初めは軽井沢かなと思っていたが、「終の棲家ではない街」「難民の街」と強調されている。イギリス植民地の面影はなくなっているのだ。日本では、ちょっと想像できない国境の街でもありそうだ。国の意識が薄く子どもの教育にかけている感じがする。何か、未来を先取りした多文化・多民族国家の匂いがする。

◎川柳・私にもっともしっくりした句: この70年 不戦平和の世界モデル

 (筆者は稲城市在住・元団体役員)


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