【北から南から】韓国便り(2)

今、小林多喜二・松田解子を思う。

                        金 正勲


 9月8日韓国光州に来られた日本の市民団体と、こちらの市民団体の人々の前で「今、小林多喜二・松田解子を思う。日本国民と考える事」という題でお話をしました。
 韓日交流を兼ねての講演だったので、やりがいがありました。

 小林多喜二と松田解子に取り組んだ動機からはじめて、韓国で多喜二が読まれる理由、花岡事件と松田解子の活動、そして、松田解子の朝鮮人労働者への同情、松田の強制連行問題に関心をもっている最中に光州で勤労挺身隊の問題が話題となり、朝鮮女子勤労挺身隊のことについても関心を持つことになった経緯などを次々に述べました。

 私の発言後にはこちらの市民団体キムソンホ代表(現光州市教育議員で、中学校の校長として定年退職、全教組所属、学校民主化運動の先駆者)からの「勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会」の活動報告の時間もありました。

 韓国の大学に在職中の日本人平和運動家も参加し、活気溢れる交流会でした。彼は川崎市生まれだったので、神奈川県の皆さんとすぐ親しくなりました。

 そして、光州市民は5.18のときからの国民の歌「彼のための行進曲」と「朝露」を、神奈川県からの皆さんは「原爆許すまじ」、「ふるさと」という歌を合唱し雰囲気は大変に盛り上がりました。
 中にはミュージカル「華麗なる休暇」東京公演を観劇した方もおられ、5.18光州民主化運動への関心度を知ることができました。

 一方、私の招待で韓国に来られている中央大学の広岡守穂教授は一昨日、南部大学の全南科学大学と南部大学が共催する講演会で『韓日文化交流のために』という題で話をされました。
 講演は私の司会で進められ、韓日間の衣食住文化の差を論じながら青少年交流の必要性を力説する内容でした。南部大学と私の所属する全南科学大学の学生らが多数参加し、質問も多く出て盛況に終りました。

 これについては韓国の「教授新聞」ホームページに次のように掲載されています。

 『広岡教授は「韓日関係がジグザグの歩みを見せている状況だが、政治人たちの言動とは別に学的交流と民間交流は大切で、特に韓日の未来を担う若い大学生たちの交流は重要だ」と強調した』

 さて、私も間もなく中央大学を訪問し、学生対象の講演などを通じて交流進展の一端を担うつもりです。以上簡単に最近の動きをご報告申し上げます。

 (筆者は全南科学大学准教授)

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