【沖縄の地鳴り】

米軍関係者の凶悪犯、沖縄県人等の2.3倍 全刑法犯では逆転

<沖縄タイムス 2016年6月11日>


・過去10年に県警が摘発した凶悪犯の数を米軍関係者と県人等で比較
・1万人当たりでは米軍関係者は1.03人で県人等0.45人の2.3倍だった
・窃盗なども含めた全刑法犯で比べると米軍11.24人、26.61人だった

 沖縄県警が2006〜15年の10年間に摘発(逮捕)した殺人、強盗、放火、女性暴行の「凶悪犯」の人数は、人口1万人当たりの平均で「米軍関係者」が1.03人となり、「県人等」0.45人の約2.3倍に上っていることが10日、沖縄タイムスの調べで分かった。米軍事件をめぐっては「県民の方が犯罪数が多い」との指摘があるが、人口当たりの統計で見ると、凶悪な犯罪ほど米軍関係者の摘発数の割合が高い。(社会部・新崎哲史)

(図)米軍人・軍属・家族と県人等の凶悪犯摘発人数の推移
画像の説明

 犯罪の約7割を占める窃盗なども加えた「全刑法犯」では、「米軍関係者」11.24人、「県人等」が26.61人で逆に「県人等」が2.4倍高かった。

 県警の犯罪統計では、米軍人・軍属、その家族の「米軍関係者」の事件数と摘発人数を年ごとにまとめている。

 「凶悪犯」を見た場合、統計によると06〜15年の10年間の摘発人数のうち、「米軍関係者」は年に0〜13人とばらつきがあり、計46人。米軍関係者を除く県人や観光客、在住外国人などを含む「県人等」は年42〜90人の計620人が摘発されている。

 合計数だけを見れば米軍関係者の摘発者数が少ないが、「1万人当たりの摘発人数」でみると、「米軍関係者」は年0〜2.89人、「県人等」は年0.3〜0.65人と「米軍関係者」の割合が高い。

 米軍関係者の逮捕者がゼロだった年を含む12、13、14年の3年間を除き、各年の摘発人数は「米軍関係者」が2倍以上高く、10年間の平均では2.3倍の開きがあった。


最新号トップ掲載号トップ直前のページへ戻るページのトップバックナンバー執筆者一覧