【編集後記】 

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◎記念すべきオルタ100号の巻頭には『対中・ロ日本外交を問う』として、始
めて座談会形式をとって読み易さを工夫し、かつ骨太のメンバーとして司会者に
は元朝日新聞政治部長羽原清雅氏を据え、出席者に日大教授石郷岡建氏・日中ビ
ジネスコンサルタント篠原令氏とオルタが誇る執筆陣の対中・ロ専門家をお願い
した。

お二人についてはすでに何回かご紹介したが、石郷岡教授はモスクワ大学を卒業
後、毎日新聞に入り、モスクワ支局長などを歴任したジャーナリスト出身の著名
なロシヤ・ウオッチャーで、毎月雑誌『世界』の「世界論壇月評」のロシヤ欄を
受け持っている。

篠原令氏は南洋大学出身で中国各界に深い人脈をもつ中国問題専門家であり、堪
能な中国語・韓国語を駆使した的確な中国情勢の分析には定評がある。先年の尖
閣騒ぎには、デッドロックに乗り上げた日中関係が外交ルートではどうにも動か
ず、急きょ篠原氏が民主党細野豪議員と北京に急行し、議員を中国側トップに繋
げて打開の途をつけたことはよく知られている。
 
中国・ロシヤはともに日本の大切な隣国だが、それぞれのトップが交代する今年
は日本外交にとっても戦略を再構築する絶好の機会である。沖縄・TPPとひた
すらアメリカに追随し、中・ロ両国とは島の領有権をただ叫ぶだけの日本外交で
よいのか。この大事なテーマについて、外国出張の多い3氏の日程調整に苦心し
たが、座談会は実現した。限られた時間で、どこまで期待に応えられるか不安だ
が、両氏の発言をよく玩味して頂きたい。

◎4月13日ソシアル・アジア研究会で湯浅誠氏の「政治と行政における社会運
動の立ち位置」を聴いたが、その際『内閣府参与辞任のご報告』を戴いた。社会
運動にとって多くの示唆があり、本人の了解を得てオルタに掲載した。湯浅氏は
先日も朝日と毎日が1ページ全面を使って発言を紹介するなど、今もっとも著名
な日本の社会運動家である。それは同氏の人柄が爽やかで観念的でなく、現場主
義に徹しでいるからだと思う。

◎旧友の故久保田忠夫君と同人誌「余白」の発行者だったオルタ共同代表の富田
昌宏氏から100号記念の俳句が寄せられた。時が移り感慨深い。栃木市で農業
を営まれ、PCをされないのでオルタについては事後相談が多く失礼を重ねたが、
毎号秀逸な俳句と激励の手紙を頂くなど創刊以来一貫して心から支えて下さっ
た。なお巻末に加藤宣幸が【オルタ100号を歩んで】を記し関係者に謝意を表
した。

◎3月23日三省堂で少部数書籍のオンデマンド印刷実演説明会に出席しメデイ
アミックスを研究。27日仏教に親しむ会で荒木重雄師の講話謹聴。30日国連
大学で、海外労働事情研究会の前ザンビア日本大使館書記官鈴木人司氏による
「南部アフリカの社会労働事情」を聴く。4月5日学士会館で羽原清雅氏司会の
石郷岡建・篠原令両氏のオルタ座談会を開催。あと10名ほどで情報交換懇親会。

9日・10日初岡昌一郎・山田高・山崎正樹氏と箱根で運動史勉強会合宿。13
日ソシアル・アジア研究会で湯浅誠氏の「政治と行政における社会運動の立ち位
置」を聴く。16日衆議院第一議員会館・国際会議場での安東自由大学東京セッ
ションに参加。金暉東前安東市長「地方の可能性と持続的社会」・篠原孝前農林
副大臣「農的小日本主義の勧め」などを聴く。あと講師の荒木重雄氏と会食。
17日夜篠原令氏に中国情報を聴く。19日岩根邦雄氏を囲む定例会。20日午
後仏教に親しむ会。夜生活クラブ東京での岩根邦雄氏出版記念会出席。

◎【お詫び】
スペースの都合で【書評】など数点の原稿が次号になりましたのでご了承をお願
いします。
                         (加藤宣幸 記)

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