■編集後記

────────────────────────────────◎西村徹先生が、日本最古の街道(官道)といわれる竹内街道から、古代のただずまいを今に残す当麻の里を描写し、ナショナリズムを論じて森喜郎の「幼稚」小泉純一郎の「錯乱」を鋭く衝かれたが、この指摘には日本人なら誰もが納得するだろう。

 それにしても「錯乱」首相を変えられない日本に「未来」を感じないのは中国人・韓国人ばかりではないように思う。

◎独創的な構想力で数々の政策提起を重ねてこられた力石定一先生からは大所高所からの環境論ではなく、まさに「身の回りの環境問題」について一人の住民としての活動報告を寄せていただいた。読者は、この具体的なレポートの中から幾つかの大事なものを読み取られる筈である。

◎「オルタ15号」で大田博夫さんに「改憲」問題を書いていただいたが、読者の雪野健作さんから、オルタの読者に是非一読を薦めたい文章として立花隆の「メデイアソシオ・ポリテクス」にある記事『日本を軍国主義へ導く「普通の国」論の危険性』を紹介するメールが届いた。問題点がよく整理されており、アメリカが9条改正を強く望んでいることも明らかにされている。広く読まれることを期待したい。http://nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/050517_futunokuni/

◎河上民雄先生から「オルタ11号」の新春対談で話されていた海老名香葉子さん(林家こぶ平師匠の母親)のことについて、その後の動きについての補足として次の文が寄せられました。『昭和20年3月10日、東京大空襲60周年に当たり、僅か2時間半で10万人といわれる死者を出したこの悲劇を忘れぬため記念碑を建てることに奔走されていた海老名香葉子さん(林家こぶ平師匠――そのご林家正蔵を襲名――の母親でかつ故林家三平師匠夫人)についてマスコミの注目が集まり、数多くの記事が各紙で報道されました。

 それによると、香葉子さんは、この大空襲で家族全員全滅し、学童疎開中のため、ひとり残されたと伝えられていましたが、実は被災の1年半後、銀座の闇市で自活していた次兄を探し当て、再会を果たしたとのこと。また、記念碑についても、東京都がのちに上野公園内に建てることを許可したと語っておられます』以上を追記いたします。

◎棚橋泰助氏には『国家の罠』の書評をお願いしたが力のこもった論考をいただいた。この本が猛烈に売れているので米国追従派で固まっている外務省全体が震えあがっているという説もある。

◎この号から写真家 田島 正氏の『東方快車の旅』(シルクロードの旅)を連載しますが、これはメールマガジン「オルタ」のホームページに毎号載っている写真の説明文を「オルタ」本文でも読めるようにしたものです。ただし写真はホームページでしか御覧になれません。是非すばらしい写真を御覧ください。  http://www.alter-magazine.jp                       (加藤 宣幸 記)